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桐生整形外科病院
桐生整形クリニック
幸の杜

 第28回全日本トライアスロン宮古島大会に参加して

 2011年4月24日、宮古島大会に参加しました。最近、メディアでも取り上げられることが多くなったとはいえ、トライアスロンを知っている人は未だに多くないと思います。その競技内容を簡単に説明しますと、水泳(スイム)、自転車(バイク)、マラソン(ラン)の順に行う競技で、走行距離で3つに分類され、オリンピック、ミドル、ロングの順に距離が長くなります。オリンピックは2000年のシドニーオリンピックで正式競技になり、スイム1.5km、バイク40km、ラン10kmです。ロングはいわゆる鉄人(アイアンマン)レースで、スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.195kmですが、大会によってその距離は若干前後します。ミドルは大体ロングの半分の距離です。ちなみに宮古島大会の距離は、スイム3km、バイク155km、ラン42.195kmです。

 トライアスロンを始めたのは約9年前です。きっかけは「メタボ」対策でした。もともと自転車通勤程度の運動はしていましたが、トライアスロンをやっている同業の先輩に誘われた(というより引きずり込まれた)のが始まりです。当初はプールで50m程度しか泳げず、マラソンはもともと体重が重いため嫌いなスポーツの代表で、自分にはトライアスロンなんて無理、ましてロングなんて夢のまた夢だと思っていました。しかし練習を重ねていくうちに、こなせる距離が少しずつ増えていき、もしかしたらロングも完走できるのではないかと思うようになりました。ロングの大会に出るまでおおよそ2年かけて体を作っていき、初ロングは2004年の韓国大会でした。それより後は、7月の皆生大会(鳥取,米子)、9月の佐渡大会(Aタイプ)に毎年参加しています。今回の宮古島は、病院のはからいで年3回大会に出場してよい(?)ことになり、やっと参加できるようになりました。

 トライアスロンは距離だけみると非常に過酷な印象があり、どうしてあんな辛いことをやっているのかとよく言われますが、その理由は人それぞれであり、また単一でないと思っています。健康で屈強な体を作りたい、みんなからすごいと言われたい(むしろ変態扱いされますが)、純粋に競技としてタイムを短縮したいなどが挙げられますが、自分としては以下の2つの主な理由があるため、やり続けているのかなと考えています。

 まず第1に、「自己との対話」が上手になります(自己管理能力が上がります)。言い方を変えれば自分の体から発するいろいろな「サイン」を敏感に感じる能力が上がります。トライアスロンは高耐久競技であるが故に、自分のツブレない限界を常に見定めなければなりません。競技中においてはペース配分に相当し、練習に関してはその日の体調に応じて練習量を調節し、病気およびスポーツ障害の防止に努めるということです。それができなければとても総合的な練習量は増えないでしょうし、結果として大会出場・完走すら困難になります。自分の例として、その日の体調が良ければ、練習はバイクを100km行ってから20kmのランを行うというときもありますし、逆に体調が思わしくないときは、たとえ当初のノルマがあったとしても数分で練習を終了するときもあります。ところで病院では、いろいろなスポーツ障害に悩む患者さんが来院されますが、以上のことを心に留めておくだけで大半の方は症状が改善すると思いますがいかがでしょうか?

 そして第2に、自分・他者も含めて「人間の真のすばらしさ」を実感させてくれるスポーツということがあります。初めは無理と思っていてもコツコツと練習していけば、誰でも(いつの間にか)完走できるようになります。私見で申し訳ありませんが、各個人の本当の限界は自分が思っているよりずっと先にあり、その前に自分の心が勝手に作った「仮の限界」が存在して、大抵はそこで立ち往生していることが多いのではないかと考えています。その限界を通り抜けて、ゴールテープを切るときは本当に心の底から「自分はここまでやれたんだ」と感激します。そしてトライアスロンに参加している人達を見ているとその多様さに驚かされます。人種、年齢、性別、ハンディキャップの有無を問わず全ての参加者が平等に扱われ、与えられた制限時間の中で各々の全能力を駆使してゴールを目指すのです。参加している選手の方々はこの困難なレースを完走するため、どれほどの努力・調整をしてきたのかと考えると感動せずにはいられません。そして自分もその中の1人として感動を共有できることは例えようのない喜びです。

 トライアスロンのすばらしさの1つとしてゴールシーンを挙げなければならないでしょう。トライアスロンは確立された競技の1つであるため、当然、順位付けがありますが、そのウエイトはあまり重要でない印象があります。トップクラスの選手が信じられない能力を発揮して1位でゴールするときはどの競技でも賞賛されますが、トライアスロンではトップ以外の選手にも、むしろ制限時間いっぱいでゴールした選手の方が盛大に賞賛されます(シリアススポーツ経験者であるなら、この光景は多少不思議に思うかもしれません)。順位が付くスポーツは通常、入賞した者が勝者であり、そうならなかった者はいわゆる敗者で、取るに足らない扱いを受けるきらいがありますが、トライアスロンではそうならないのです。その理由は、お互いに完走するために払ってきた努力が痛いほど良く分かりあえるため、敢闘精神が表に出やすいからでしょう。このような形態の競技はあまりお目にかかることはないのではと思います。

 あまり取りとめのない、総論的な文章になってしまいましたが、トライアスロンについて多少なりとも興味を持っていただけたでしょうか?自分としては、トライアスロンは「生涯スポーツ」と考えており、体に無理をしない範囲で続けられたらいいなと考えています。

信じられないほどの美しく青い海を背にバイクで駆けていきます.


家族と一緒にフィニッシュ.東日本大震災のチャリティーも積極的に行っていました.

(この場を借りて被災された方々に心よりお見舞い申し上げます)